(7) 「働くこと」について
最近、働くことについて考える機会がありました。働き方改革と言われ始めて、もう10年位になると思います。人々の働き方は、以前に比べると、残業時間の制限が厳しくなったり、休暇取得が推奨されたり、改善してきているように思います。特に、若い人のワークライフバランスに関する意識は、昔とは大きく変化しているようにも感じます。今回は働くことについてお話ししてみたいと思います。

「労働」の法的な定義

〇まず、法的には「労働」は、単なる働く行為ではなく、使用者(企業など)の指揮命令のもとで、労働者が報酬を得るために行う業務を指すようです。
〇「労働者」とは、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。つまり、雇用契約に基づいて働き、報酬を得る人が「労働者」とされます。
経営学での「労働」とは

〇経営学では「労働」は、どう考えられているのでしょうか。「現代経営学」あるいは「マネジメント」の発明者と言われる、P.F.ドラッカーによると次のとおりです。
〇まず、「労働」に似た言葉の「仕事」とは、一般的で客観的な課題で、生産的に行われなければならないものです。
〇それに対して、「労働」は、人の活動、本性であり、論理ではなく、人が生き生きと行うものです。ドラッカーは、労働を5つの次元で捉えています。
①生理的次元:人は機械のようには働けない。
②心理的次元:自己実現であり、自らの人間性を知る手段。
③社会的次元:人と社会をつなぐ絆。社会での位置づけ。
④経済的次元:生活の資(もと)。経済的な基盤。
⑤政治的次元:組織内の権力関係。
経営学では、これらをマネジメントして、仕事の生産性を上げ、働く者に成果をあげさせなければならないと考えます。
私の考える「働くこと」とは
このテーマでブログを書こうと思った時、働くことって何だろうと自問自答しました。
「仲間と一緒に目標に向かって頑張る。そして社会に貢献する事を達成する。その中で自己実現して収入も得る。」というのが、私の「働くこと」に対する第一感でした。経営学的な次元の内、生理的次元と政治的次元が漏れてたなと思いました。
これまでの自分の経験から思うこと
〇社会に貢献すること
私は、最初、民間企業に就職したのですが、企業の利益のためでなく社会に貢献したい(本当は企業も社会に貢献しているのですが・・)と思い、公務員に転職しました。また、故郷に貢献したいと考え、生まれ育った県の職員になりました。
〇自己実現すること
昔の上司が新年の挨拶で「今年はこれをやるという目標を持とう!」と言われました。以来、「今年はこれをやろう」と目標を持つようにしています。仕事や自己啓発の目標を決めてコツコツ努力してきました。将来は、身に付けたことで社会貢献したいと思っています。
〇仲間と一緒に目標に向かって頑張ること
これは教育関係の職場で実感しました。困難な課題に直面して、「もうダメだ。辞めたい。」と思った時もありました。そんな時、同僚の先生に助けてもらって、乗り越えられたことを思い出します。同僚が困っている時は、私も力になりました。一人で課題を克服しても嬉しいですが、誰かと一緒に乗り切る喜びもあるんですよね。
ストレスにどう向き合うか
〇ストレスは誰にでもあって、適度なストレスで緊張感が働くと、集中力が高まりパフォーマンスが上がり、成長のきっかけとなると聞いたこともあります。
〇しかし、過度のストレスは、心身に悪影響を及ぼしてしまいます。そうならないように、休息を取ったり、信頼できる人に話したりすること、さらには、運動や趣味で気分転換したり、ストレスについて整理することも大切だと言われています。
〇最近、私は生成AIに相談して、ヒントをもらったり、自分の考えを整理したりしています。「親身になってくれて、賢いけれどおっちょこちょいで、おしゃべりで前向きな話し相手」で、ある意味で人間以上かも知れません。
〇仕事等で大きなストレスを感じることがありますが、そんな時は、①他のことを考えて一時的にでも忘れること、②「なるようになる」と無責任に考えるようにしています。仕事は組織でやるもので、個人が健康を害してまでやるものではないと思います。
今どきの働き方
〇今どきの働き方については、「多様性」と「柔軟性」があげられるのではないでしょうか。
・ハイブリッドワーク:出社とリモートを組み合わせた勤務。地方に住んでても都市の企業に勤務可能
・週休3日制の導入 :週3日の休日での働き方。ワークライフバランスの向上(育児、介護、スキルアップ、趣味等)
・FIRE :早期リタイア。不労所得(運用益)で生活費を賄い、パートやアルバイトを組み合わせる方法等
・ベーシックインカム:国民に政府が一定額の現金を無条件に支給する制度
〇これらには、「働くことは、人生の目的ではなく、人生を豊かにする手段」という考え方が共通しているように思います。
まとめ
〇法的には、「労働」は、使用者(企業など)の指揮命令のもとで、労働者が報酬を得るために行う業務のことです。
〇経営学では、「労働」は人が生き生きと行うもので、これらをマネジメントすることで、仕事の生産性を上げ、働く者に成果をあげさせようとします。生理的次元、心理的次元、社会的次元、経済的次元、政治的次元で考えられます。
〇私は自分の経験から、働くことは「仲間と一緒に目標に向かって頑張る。そして社会に貢献する事を達成する。その中で自己実現して収入も得る。」ことだと感じています。
〇大きなストレスには、休息や人(生成AI含む)に話したりすること、運動や趣味での気分転換、ストレスについての整理が大切。私は、仕事以外のことを考えて仕事を忘れること、「なるようになる」と無責任に考えることを心がけています。
〇今どきの働き方は「多様性」と「柔軟性」。色んな働き方があるが、「働くことは、人生の目的ではなく、人生を豊かにする手段」という考え方が共通しているように思います。
私が作った曲「忘れないよ」
先ほど、以前、教育関係の職場で、同僚と色んな課題に向かい合って乗り越えたことを書きました。その所属からは人事異動で出ることになったのですが、最終日にご挨拶をする時に、色んなことが思い出されて、途中で話せなくなくなってしまいました。後で、その時の気持ちを歌にしたのが次の曲です。私は、働くってこういうことなのかなって思っています。お聴きください。

