(10) 囲碁は脳トレ

　囲碁というと難しいとか、おじいちゃんがするものというイメージを持たれている方、また、昔「ヒカルの碁」を読んで少し興味のある方もおられると思います。囲碁は戦略的な思考を育てることから、ＭＢＡに例えられることもあります。「全体を俯瞰する力」、「全体と局所のバランス」、「捨て石」など、経営戦略と共通するところがあると思います。今回は私がコツコツやっている囲碁について、まず、「囲碁ってどんなもの」なのか、ご紹介したいと思います。

囲碁とは

　囲碁は、4000年位前の中国で生まれて占いなどに用いられ、春秋戦国時代には戦略を考える訓練方法として広まったと言われています。日本には奈良時代に伝来し、江戸時代には幕府が家元制度も設け、武士の教養とされました。

囲碁を好んだ戦国大名

・織田信長は囲碁を好み、本能寺の変の前夜にも囲碁を打っていて、盤面に３つコウができる３コウという珍しい形ができ、時代の変化を暗示したという話もあります。

・豊臣秀吉も囲碁の大会を開くなどし、徳川家康は囲碁を武士の教養として本因坊などの家元を設立しました。

　３人の戦国武将が囲碁を好んだのは、戦略的な思考に関心があったからだと思います。

囲碁に由来する言葉

布石：将来の展開を見据えて、あらかじめ打っておく手をいいます。

捨て石：全体の利益のために一部を犠牲にする手をいいます。

一目置く：囲碁で実力差のある相手に一目置いて対局することから、自分より優れていると認める相手に敬意を払うことをいいます。

これらのように、囲碁の考え方は、私たちの生活の中に溶け込んでいるように思います。

囲碁のルール

囲碁には５つのルールがあります。逆に、５つしかありません。

※囲碁の碁盤について、上の図は９路盤(9×9の大きさ）ですが、１３路盤(13×13)や１９路盤(19×19)もあります。

※動画「９路盤を楽しもう！入門編」を見ると分かり易いので、ご覧になって是非、囲碁を始めていただければと思います。20分程度でルールから打ち方まで教えてくれます。私も、この動画で解説されている石倉先生の講座を見て、囲碁を楽しめるようになりました。

囲碁の効果

囲碁を打つことで、次のような思考力が訓練できると思います。

〇戦略的思考力
　囲碁では、局所を考えながらも全体も俯瞰し、先の展開も考えながら打つ。また、不利な局面では無理をせずに後で挽回する、有利な局面でもやり過ぎない。このように考えることで、戦略的思考力を養うことができる。

〇意思決定力
　囲碁では、局面を状況判断しながら、先を読みながら考えられる選択肢の中から、最善と思われる手を打つ。そのことで、意思決定力が養える。

〇捨て石の活用
　囲碁では、ある石を相手に取らせることにより他の所で得をして、戦いを有利に進めようとする。そのような考え方は、実社会でも応用できる。

〇相手の意図を読み解く力
　囲碁は「手談」（しゅだん：打ち手による談議）とも呼ばれる。相手の打ち手から狙いを理解することを通じて、相手の意図を読み解く力を養える。

〇柔軟性と創造力
　囲碁には定石もあるが、状況に応じて打ち手を変える必要がある。そのことで、思考の柔軟性や創造性を養える。

私と囲碁

出会い

〇囲碁を始めたのは高校時代です。当時は、どこにどう考えて打つのかよく分からず、しばらく打たなってしまいました。

〇「ヒカルの碁」という漫画を読んで、もう一度やってみようと思いました。その頃、ＮＨＫで放送されていた石倉先生の囲碁講座を見て、囲碁の考え方が分かり、面白くなって続けています。その放送は録画して今でも時々復習しています。

コツコツ上達法

役に立っていること

〇仕事などで難しい課題に直面した時、その課題を俯瞰し、今後の展開を予測して、相手の考えも読み解きながら、粘り強く打ち手を考えることに役立っていると思います。

〇囲碁を通じてコミュニケーションも図れていると思います。前の職場の先生とは５年位、現在の職場の同僚とも１年半位、囲碁を打っています。また、囲碁仲間の皆さんの様子もご紹介したいと思います。

まとめ

〇囲碁は、全体を俯瞰する力、全体と局所のバランス、捨て石など、戦略的な思考を育てると思います。今回は「囲碁ってどんなもの」なのかを紹介しました。

〇囲碁は、4000年位前の中国で生まれ、戦国武将も囲碁を好みました。布石、捨て石、一目置くなどの言葉のように、囲碁の考え方は、私たちの生活の中に溶け込んでいます。

〇囲碁には５つのルールがあります。分かり易い動画もあるので、ご覧になって是非、始められてはいかがでしょうか。

〇囲碁をすると、思考力が訓練でき、戦略的思考力、意思決定力、捨て石の活用、相手の意図を読み解く力、柔軟性と創造力が養われると思います。

〇私も、石倉先生の囲碁講座を見て、囲碁の考え方が分かり、面白くなって続けています。ＡＩを使ったスマホのアプリを相手にコツコツと続けています。

〇私は、囲碁をして、難しい課題に直面した時、その課題を俯瞰し、今後の展開を予測して、相手の考えも読み解きながら、粘り強く打ち手を考えることに役立っていると思います。また、囲碁を通じてコミュニケーションも図れています。