(20) 英語学習での気づき③(時制)
私は、英語を話す機会が限られていることもあり、実際に話す時に「冠詞」((13)の記事)や「時制」まで意識が及びにくいと感じています。今回は、その「時制」について、以前、英検1級の面接試験(スピーキング試験)を受けていた時に気づいた「英語の時制はこう考えると分かり易い」について、お話ししたいと思います。

英検1級の面接試験で「時制」で混乱した経験
- 私が受けた英検1級の面接試験は、入室するとテーマを1つ与えられ、1分間考えた上で2分間のスピーチを行い、続いて試験官からの質問に答えるというものでした。
- テーマは、例えば「あなたは、環境保護と開発とどちらを優先すべきと考えるか」といった日本語で話すのも難しいものなので、話す文章も長く難しくなりがちでした。
- また、話す文章に過去や仮定のことも含まれるので、時制の一致のルール等を考えていると、頭が混乱してしまうことがありました。
- その時、もっと時制をシンプルに扱えないかと考えて、気づくことがありました。

学校でならった時制の一致
まず、中学校や高校で習った「時制の一致」は、ざっくり言うと次のようなものだったと思います。
・主節に過去時制が用いられると、従属節の中の動詞も過去か過去完了になる。
He said that he was tired.(彼は、疲れていると言った。)
・従属節が真理や格言などを述べている場合は、時制の一致の法則は適用しなくてもよい。
He said that the sun rises in the east.(彼は、太陽は東から昇ると言った。)
英語の時制は、こう考えると分かり易い
話す時に時制の一致等を考えていると、思ったことをすぐに話せないので、以下にお話しするようにシンプルに考えることにしました。なお、英語の時制には、現在、過去、未来、進行形、完了形とそれらの組み合わせもあるのですが、今回は、シンプルに現在、過去、未来でお話しします。
①現在のことは現在形、過去のことは過去形
主節の時制が過去形であっても、従属節が現在のことは現在形で、過去のことは過去形になる。
He said that he is honest.(彼は、自分は正直だと言った。) → 今もそうだと話し手は考えている。
He said that he was honest.(彼は、自分は正直だと言った。) → 今はどうか話し手は分からない。
②意思未来の場合、意思が続いている場合は
主節の時制が過去形であっても、従属節の意思が、現在も続いている場合は助動詞の現在形のまま、続いているか分からない場合は助動詞の過去形になる。
He said that he will be honest.(彼は、正直でありたいと言った。)→ 今もその意思が続いていると、話し手は考えている。
He said that he would be honest.(彼は、正直でありたいと言った。)→ 今はどうか話し手は分からない。
<参考>条件を表す副詞節
高校の英語で、「時や条件を表す副詞節では、未来時制の代わりに現在時制を使う。」と学習したと思います。それは、英語では、時や条件を表す副詞節の出来事は、まだ事実として認められないからのようです。
I’ll call you when I get home.(家に着いたら電話します。)→ 未だ家に着いていない。

仮定法の時制
仮定法では「時制をズラす」ことで、事実とは異なることを表現します。日本語でも、「お名前を伺えましたら…」や「お願いしたかったんですが…」など、過去形を使うことで婉曲や控えめに言うと思います。
①仮定法過去と仮定法過去完了
高校英語で、仮定法過去は現在の事実に反する仮定を、仮定法過去完了は過去の事実に反する仮定を表現することを学習したと思います。
If I had money, I could travel. (もし、私がお金を持っていたら、旅行に行けるのに。)→ お金が持っていないので行けません。【仮定法過去(現在の事実に反する仮定)】
If I had had money, I could have traveled. (もし、私がお金を持ってたら、旅行に行けたのに。)→ お金を持ってなかったので行けなかった。【仮定法過去完了(過去の事実に反する仮定)】
②仮定法の場合は「時制の一致」をしない
仮定法は、時制をズラすことで、現実とは異なることを表現するので、仮定法の場合は、従属節の時制を主節に合わせる「時制の一致」は行われません。
He said that if he could fly, he would meet you sooner.(彼は、もし自分が、空を飛べたら、早く君と会えるのにと言った。)【仮定法過去で、現在の事実に反する仮定を行う場合】
He said that if he had arrived earlier that day, he could have met you.(彼は、もし自分が、あの日がもっと早く到着してたら、君と出会えたのにと言った。)【仮定法過去完了で、過去の事実に反する仮定を行う場合】
まとめ
・今回は、「時制」について、私が英検1級の面接試験(スピーキング試験)を受けていた時に気づいた「英語の時制はこう考えると分かり易い」ということについてお話ししました。
・まず、学校で学習した時制の一致では、「主節に過去時制が用いられると、従属節の中の動詞も過去か過去完了になる。」といったルールがありました。しかし、このようなルールを考えていると、私は、話す時に頭が混乱してしまいました。
・そこで、もっとシンプルに考え、主節の時制が過去形であっても、従属節の内容について、話し手が現在も続いていると考えている場合は現在形で、今はどうか分からないと考えている場合は過去形になると考えると、分かり易いと気づきました。
・また、意思未来(will)の場合、主節の時制が過去形でも、従属節の意思について、話し手が、現在も続いていると考える場合は助動詞の現在形(will)を、続いているか分からないと考える場合は助動詞の過去形(would)になります。
・仮定法については、仮定法過去は現在の事実に反する仮定を、仮定法過去完了は過去の事実に反する仮定を、それぞれ時制をズラすことで、事実とは異なることを表現するので、従属節の時制を主節に合わせる「時制の一致」は行われません。
